「人」で儲けるゼネコンの仕事の特殊性

2011.11.04

建設業界がゼネコンを元請けとして下請け、孫請けという下部の企業を買い叩くことで成り立つ世界であることはすでに書いてきた通りである。ゼネコンは建設官僚、地方自治体首長、建設「利権」議員を仲立ちに公共事業を受注し、下請け、孫請けを買い叩いた結果得られる利益を彼らに支払って、新たな公共事業の受注権利を得るのである。とはいえ、いくら簡単に買い叩くといっても、高度な技術や機械を持つ下請けを叩くには限界があるのだ。

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まして、材料費で儲けることなど余程の急な相場の変動でもないかぎりあり得ないのである。したがって、ゼネコンの儲けの対象は労務費に行き着くのだ。労務費をどう叩くか、ここにゼネコンの基本方針があると言ってよいと思う。だから、ゼネコンが目指す、より儲けの多い公共事業とは労働者をたくさん使う仕事ということになる。山を切り崩してダムをつくったり、山にトンネルを掘ったり、あるいは山をつぶして造成地にしたりする事業とか、工事費の七〜八割が労務費という、人力に頼る仕事こそゼネコンにとって儲けが多くうま味がある仕事ということになる。反対に工事費の七〜八が機械、材料、設備費というケースでは儲からない。したがって設計変更などといって、機械で掘削する仕事を人力での掘削に変えたりすることが、現場サイドでの会社に対する貢献になるのである。こんなふうに「人」で儲けるところにゼネコンの特殊な性格がある以上、もし、本当に、「ゼネコン汚職」の根を絶とうとするなら、そのターゲットをこの部分におかなければ解決しないと私は思う。それが、現行の総額発注を個々の工事別発注に変えて、大手から中小企業へのピンハネをなくすことが、公共事業の決裁内容をより明確に透明度の高いものにすることだと思うが、ゼネコンの公共事業費を循環させている役割、つまり、ゼネコンが「人」で儲けてその金を高級官僚や政治家に回していく仕組みを考えると、この名案は実現しそうにないのである。





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