腰に壁のある窓なら、背の高い家具は置けないにしても、窓枠より低い机やテーブルをピッタリ窓に寄せておくことができる。そして、喫茶店の席を論じた時に触れたように、窓辺というものは、壁の入隅とはまた別の感じで快適に過ごせる場所なのだ。腰壁のある窓は窓辺という落ち着ける場所をつくりだす点で、惰性的に選択される掃き出し窓よりはるかに積極的な住まいの装置である。窓辺の生みだす力が、結局は腰壁の空間限定性によるものであると考えれば、これも壁の効用の一種である。
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もっともぼくは、うららかに晴れた春の午後などに陽当りの良い部屋にいる快適さを否定しているわけではない。家の中にそういう場所が欲しいのは確かだが、一年を通してのさまざまな条件の変化や壁の効用を考えに入れると、そのような環境をいたるところに望まず、どこか1カ所に限定してもよいのではないか。