あるサラリーマンが、土地を買って家を建てた。ところが、家ができあがったとたん、隣の土地の持ち主Dさんから、「そこは私の土地です」とクレームがついた。驚いたそのサラリーマンは、あわてて不動産業者を呼んで調査したところ、やはりDさんの土地を一部つかっていることがわかった。裁判になったが、結果は、サラリーマンは建てたばかりの家を取り壊さざるをえなくなった。いまは家を建てた費用と取り壊した費用をローンで返済している。その返済だけで一生かかり、マイホームの夢は無惨にもこわれてしまった。もともとこの土地は、そのあたり一帯の土地をもっていた人がバラバラに売ったものの一つだった。はじめにいちばん端をAさんが買った。そのつぎの土地をBさんが買い、さらにその次をCさん、Dさんと買っていった。このCさんの買った土地を、さらに、問題のサラリーマンが業者を介して買ったのである。AさんもBさんもCさんもDさんも、家を建てていなかったので、境界ははっきりしていなかった。そこで、不動産業者はBさんのところへいって境界を確認した。Bさんとの境がはっきりしたので、Dさんとの境は自動的にわかった。そこで、その土地を買ったサラリーマンは家を建てたのである。ところが、よく調べてみると、もともとAさんとBさんの境が狂っていたのである。自動的にサラリーマンの買った土地もずれ、Dさんの土地にくい込んでいたわけだ。不動産業者はBさんと話し合いをして、確認書をとっておりとくに落度はなかった。それでも不動産業者は取り壊す費用の半分を負担した。もともと一筆だった土地をバラバラに売った場合、こうしたことが起こる可能性もあるので、気をつけたい。
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